34.スーツ離れは時代の流れ

洋服の青山が全国の店舗のうち160店舗を閉店するとの発表がありました。

 

私個人としては、いずれ将来的にスーツ文化は廃れると思っていましたが、コロナによるリモートワーク等で一気に拍車が掛かった感があります。

 

だって、スーツって実用性が乏しいじゃないですか⁉️

 

夏は暑苦しいし💦

冬は寒いし💦

シワはキープしなくちゃイケないし💦

毎日、同じスーツは着れないし💦

クルマで営業してると、シートベルトでテッカテカになるし💦

ワイシャツもネクタイも革靴も揃えなきゃならないし💦

 

そもそも、ネクタイなんて『儀礼的』以外に何の意味があるのでしょう❓

 

掴まれたら身動きとれないし(マジで)💨

風が吹けばドアに挟まれるし💨

 

ワイシャツはワイシャツで、

首回りや袖口が皮脂汚れで黒ずむし😵

毎日のアイロン掛けは面倒だし😵

 

革靴も歩き難いし😱

マメに磨かないとイケないし😱

水虫になりやすいし😱

 

もう、スーツとスーツに関連するアイテム全てに掛かる手間隙って、恐ろしい労力になりますやん💀

 

 そもそも、英国貴族の名残りでしょう?

確か19世紀頃の英国紳士の正装は、現在のスーツに加えて帽子、ステッキ、マントに懐中時計といった出立ちですよね。

 

それが少しずつ省略化、簡素化されて現代のスーツに至っているワケで。

大英帝国』が、それだけ権威を誇っていたのでしょうね。

 

青山とかコナカのようなスーツ量販店の出現で、あまり高価ではないスーツが出回りましたが、それ以前は街の仕立て屋さんでオーダーすると、今から40年ほど前でも最低10万円位でしたから。

 

当時は「スーツ」ではなく「背広」と呼んでいましたね。

それより以前の高度経済成長期には、景気が良かったせいでしょうね。普段、スーツを着ない職業の人が『オシャレ』のステータスとして、スーツを嗜んでいました。

 

ウチの親父なんて大工なのですが、タンスの中はスーツでビッシリでした。

子供心に「いつ着るんだ?」なんて思っていました。

建設業の給料が破格に良かった時代でしたから、若い頃に『夜遊び』用に買い揃えたのでしょうね。

 

「要らないか?」と言われた事もありましたが、要りません(笑)

 

スーツも時代の流行によって、ビミョーにシルエットが変わるので、いくら状態が良くても「なんじゃ、こりゃ!」みたいな感じになりますからね。

 

 礼服(フォーマルスーツ)なんて如実にそれが分かりますよね。

たまにしか着ないので、着てみると完全に時代遅れのシルエット。

まぁ『礼服』なので周りはとやかく言いませんが、

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葬儀の席ならばともかく、祝いの席だと恥ずかしくて早く帰りたい位。

 

そういった点からも、コストパフォーマンスに合わないアイテムです。

 

ビジネスに普段から着慣れている人にとっては、今ではスーツは消耗品ですし、消耗品となれば流行に合ったシルエットのモノを自然と着るようになると思いますが、『たまにしかスーツを着ない』という人は、今後のスーツの購入は考えた方が良いです。

 

どうしても1着は…という方には、AEONとかUNIQLOの上下で1万円前後のモノがオススメです。

 

多くの人が誤認している事なのですが、洋服選びは『質感』ではなく、『シルエット』なのです。

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AEONやUNIQLOのスーツですと、シルエットはほぼ流行に合ったモノですし、上下別々のサイズチョイスも可能ですので、体型に合わせたスーツを安く手に入れる事ができますし、プライベートでも「ジャケットのみ」「パンツのみ」の着回しができる生地を使っていますので、ムダを抑える事にもなります。

 

とはいえ、ワイシャツ、ネクタイ、靴と、関連商品も揃えなければならないので、やっぱりある程度の出費は覚悟しないとイケませんね。

 

 

私も以前は、IT関連の経営者がラフな格好をしているのに抵抗感がありましたが、時代の先を読む眼力は、彼等の方が上だと、今は認めています。

 

それまでつまらぬ固定概念で抑えていた、冒頭で述べたスーツの数々の実用性の乏しさに疑問を抱いたのです。

 

思えば東日本大震災の翌年、翌々年頃がそうでしたが、街は復興の「ふ」の字も見当たらないのに、いくら仕事だからとはいえ、スーツなんて着て客先を訪問するのは、むしろ失礼になるのではないか?等と自問自答を繰り返し、結局は考えて時間だけを潰して帰宅した事が何度もありました。

 

震災前には、考えもしなかった事です。

 

その頃から、スーツは時代の変化によって廃れていく…と感じていました…

何年か前から、黒のチノパンにジャケット、中はTシャツかカットソーといった出立ちで営業しています。

 

心のつかえが取れた感じで、気持ちが凄くラクになっています。

 

夏場のクールビズに始まって、暑い国では暑い国なりの、寒い国では寒い国なりのビジネススタイル、ファッションがあります。

 

暑い日、寒い日、また状況に合わせたスタイルで仕事ができるようになった事に加速が付いたのは、皮肉にもコロナ流行が一因ですが、人間そのものが環境の変化に順応して進化し続けてきた事を考えると、ファッションの変遷など取るに足らないモノなのかもしれません。

 

今後も紳士服量販店の業界において店舗削減、人員削減が起こると思います。

 

閉店や人員削減で現在の職を離れざるを得なくなる皆様へ。

 

散々、スーツ否定論を展開しましたが、それでも男子ファッションの最高峰は、これからもスーツであるでしょうし、長きに渡りビジネスシーンの『主役』として君臨してきたのは、紛れもない事実。

 

時代を支えて来られた皆様に敬意を表すと共に、新たな世界でも、スーツ業界で培ったセンスと経験を活かし、ご活躍される事を祈念申し上げます。

 

皆、頑張ってきたと察しております。

 

しかし、『時代の流れ』は時として残酷な結果を招くものです。

誰が悪いわけでもありません。

 

私如き凡人が『時代の流れ』など読めるワケでもなく、感じるままに文章にする無礼をお許し願います。

 

今日も最後までお読み頂き、ありがとうございました。